令和6年度施政方針
令和6年第1回福生市議会定例会における市長の令和6年度施政方針です。
※以下は、令和6年2月27日時点での内容です。
はじめに
令和6年第1回市議会定例会に当たり、貴重なお時間をいただき、私の施政方針を申し述べさせていただきますことに、心より感謝を申し上げます。
はじめに、元日に発生いたしました令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方に、そして、その御家族に対し心より哀悼の意を表するとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
被災地では、現在も厳しい環境の中、多くの方々が避難所等での生活を余儀なくされております。一日も早い復興を祈念いたしますとともに、本市においても、被災地からの応援要請等に基づき、職員の派遣など必要な支援を行ってまいります。
私達の暮らすこの東京においても、首都直下地震の発生が危惧される状況でございます。本市の防災対策の根幹である福生市地域防災計画について、10年ぶりに見直された「首都直下地震等による東京の被害想定」等を踏まえた修正を行い、引き続き、防災対策に万全を期してまいります。
それでは、改めまして、施政方針を申し述べさせていただきます。
私が市長に就任して、この5月で16年が経過いたします。
これまでの間、私は、1期目の公約である「五つの元気施策」を掲げて、様々な行政課題に全力で取り組み、本市における最重要課題を定住化対策と見定め、全庁を挙げて施策の推進を図ってまいりました。
中でも、本市の人口減少の特徴として、子育て世代の流出がございましたので、子育て施策については、「子育てするなら ふっさ」をスローガンに、特に力を注いでまいりました。子育て環境や小中学校の学習環境の充実ぶりは、今や、本市の「まちの魅力、売り」の一つとなっております。
そして、3期目の終盤に突如訪れた、新型コロナウイルス感染症のパンデミックへの対応に当たっては、市民生活を守り抜くため、ワクチン接種事業を始めとする様々な対策を、スピード感をもって講じてまいったところでございます。
私は、生まれ育った福生のまちを元気にしたいという強い信念を持って、これらの諸課題に、一意専心、挑み続け、難局を乗り越えてまいりました。
改めまして、これまでの市政運営に多大なる御理解、御協力を賜りました市民の皆様や議員各位、また、関係各位に対しまして、心より感謝申し上げる次第でございます。
市を取り巻く社会状況等
それでは、最初に、本市を取り巻く社会の状況について申し上げます。
世界中を混乱の渦に巻き込んだ、3年以上にも及ぶ、新型コロナウイルス感染症との戦いは、昨年の5月8日に感染症法上の位置付けが5類になったことで、ようやく一つの節目を迎えました。この間、医療現場などの最前線で御尽力をいただいた全ての関係各位に対し、改めて感謝を申し上げます。
令和6年度からは、ワクチン接種が、全額公費負担から季節性インフルエンザと同様、有償の定期接種に切り替わります。新たな変異株の出現など決して油断はできませんが、今後も国や都の動向を踏まえ、適切に対応してまいります。
また、発生から2年が経過したロシアによるウクライナ侵略や、昨年10月以降のイスラエル・パレスチナ情勢等、世界中で緊迫の度が高まっております。
今年は、1月に実施された台湾の総統選挙や、11月の米国大統領選挙等、多くの国々で重要な国政選挙が予定されております。これらの選挙結果は、複雑化する東アジア情勢や日米関係にも影響を及ぼす可能性があり、米軍横田基地を抱える本市といたしましても、注視してまいる必要があると考えております。
そして、経済においても大変厳しい状況が続き、昨年の日本の名目GDP、国内総生産が、ドイツに抜かれ、世界3位から4位に後退することが確実な情勢となっております。この結果は、バブル経済崩壊から現在に至る、いわゆる「失われた30年」を象徴するだけではなく、深刻な少子高齢化に直面する日本社会全体が、正念場を迎えていることを物語っております。
市では、昨年11月に国が決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」などを踏まえた、低所得世帯に対する現金給付事業や、今年6月以降に実施予定の所得税・住民税の減税等に係る対応について、迅速かつ確実に実施してまいります。国が目指す物価上昇を上回る賃上げの実現と相俟って、日本経済が再生への道を歩みだすことを切に願うところでございます。
このように、国や都の動きは基礎的自治体に大きな影響を与えることから、アンテナを高くし、注意を払わなければなりません。
その他にも、国では、子ども・子育て政策を推進するため、昨年「こども家庭庁」を設置し、現在開かれている通常国会において、児童手当の抜本的拡充や高等教育の負担軽減、児童扶養手当の拡充などを議論しております。
市におきましても、「こどもまんなか ふっさ」の実現に向けて、子育て施策の更なるブラッシュアップを図り、子育て環境の充実を市民が体感できるよう努めていかなければなりません。
また、今年1月には、いわゆる「認知症基本法」が施行され、4月からは、新たに「孤独・孤立対策推進法」が施行されます。近年社会問題となっております、認知症患者の増加や家族の負担、社会生活で孤立している方への生活上の課題に対し、しっかりと向き合う必要がございます。
全ての方が生きがいを感じられ、尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される共生社会の実現に向けて、関係機関とも連携しながら施策の充実に努めてまいります。
令和7年度末までに全国の自治体が、住民基本台帳関連業務などの主要20業務を一斉に標準準拠システムに移行する、地方公共団体の基幹業務システムの統一、標準化への対応も喫緊の課題でございます。しかしながら、国が示すガバメントクラウドの利用料や回線費用など、未だ不透明な点が多く、引き続き、国の動向を注視していく必要がございます。
一方、都の動きでございますが、国に先鞭をつける形で少子化対策を推し進めております。今年度は、子ども1人当たり月5千円を給付する「018サポート」や、高校生等への医療費助成を開始し、令和6年度に向けても、私立高校の授業料実質無償化や学校給食費の保護者負担軽減策等を打ち出しております。
しかしながら、これらの取組の中には、少なからず市区町村の財政負担を伴うものもあり、新たな自治体間競争を引き起こす可能性もございます。特に、自主財源に乏しい多摩地域の多くの自治体にとっては、事実上の無償化につながる学校給食費の公費負担の実施に当たっては、相当に慎重な判断が必要となってまいります。
また、昨年7月には、東京全体のDXを効果的に進めるため、GovTech東京を設立いたしました。本市においても、更なるデジタル化を推進する上での課題の解決や、職員のデジタルスキルの育成・向上等を図るため、今後、連携を強化してまいります。
なお、1月31日には、多摩地域の児童相談所の再編に伴い、西多摩エリア8市町村を管轄する児童相談所を、令和13年度を目途に片倉跡地に開設するとの発表がございました。片倉跡地の活用については、市議会における一般質問においても繰り返し申し上げてきましたとおり、過去の経緯等を踏まえ、市の意向を最大限反映していただけるよう、今後も引き続き、都に対し要望してまいります。
このように、国や都の動向は、大変目まぐるしく、そして多岐に渡り影響がございますので、慎重かつ柔軟に対応をしていかなければなりません。
さて、この一年を振り返りますと、コロナ禍での様々な制限等が撤廃され、社会全体に活気が戻りつつある一方で、エネルギー価格や生活必需品などの物価の高騰が人々の生活を苦しめております。
本市では、市民や事業者の皆様から御好評いただいている「プレミアム付商品券事業」や「シニアお買物券配布事業」、現在行っております「キャッシュレス決済ポイント還元事業」などを切れ目なく実施してまいりました。物価の高騰については、先行きが見通せない状況ではございますが、今後も国や都の動きにも注意しつつ適宜対策を講じてまいります。
また、多摩地区の一部の自治体において、発がん性の疑いが指摘される、有機フッ素化合物、いわゆる、PFASの地下水濃度が国の暫定基準値を上回っているとされる問題では、その原因が米軍横田基地にあるのではないかとの報道がなされております。いまだに基地が原因かはわかりませんが、本来この問題は、国が責任をもって解決すべきことでございますが、市民の皆様の不安を解消するためには、一刻も早く正しい情報をお伝えする必要があると考え、急遽、昨年12月に市内10か所の井戸水で水質調査を実施いたしました。調査の結果、10か所全ての地下水が国の暫定基準値を下回りましたが、引き続き、状況を注視してまいりたいと考えております。
一方で、明るい話題も多くございました。
まずは、4年ぶりとなる、第73回福生七夕まつりの開催でございます。7月上旬の2日間の開催にもかかわらず、過去最多の、52万7,300人の来場者数を記録し、大盛況のうちに終了することができました。開催期間中、来場者お一人お一人の満面の笑みや、まつりの担い手である商店主等の活気に溢れた表情を拝見し大変嬉しく思った次第であります。
ふっさっ子の成長する姿も元気を与えてくれました。
慶應義塾大学と共同で研究してまいりました、幼保小の連携については、これまでの内容を基に、市内保育園・幼稚園において保育・教育の実践に取り組んだほか、新たに、東京大学の研究機関であるCEDEPと連携して、幼児教育や保育の更なる質の向上を目指し、子ども達の非認知能力に着目した実践にも取り組みました。私も実際に現場を訪れ、子ども達が多彩な体験に触れ合い、探究を積み重ねる様子を見させていただき、子ども達の未来に無限の可能性を感じることができました。
また、10月には、創立150周年を迎えた、私の母校でもある福生第一小学校の授業にお招きいただき、こども達と福生の未来について語り合いました。夢や未来を語る子ども達の瞳の輝きは、今も昔も変わらず大変嬉しく思った次第であります。
今後も、未来を担う、ふっさっ子の成長を全力でサポートしてまいります。
また、市広報2月1日号の表紙を飾っていただいたのは、昨年11月にタイで開催された「HERITAGE PAGEANTS世界大会 2023」のミス部門で見事にグランプリを受賞された、市内在住の原 衣梨佳さんでございます。福生から世界へ羽ばたいた若者の姿は多くの市民に感動を与えてくれました。
令和6年度重要施策
それでは、以上の状況を踏まえ、令和6年度における重要施策について申し上げます。
ハード分野
最初にハード分野でございます。
福生駅周辺の整備は、中心市街地の再生の意味において、極めて重要な取組のため、引き続き実施してまいります。
福生駅東口地区における、都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業については、現在も土地所有者との用地交渉を粘り強く続けているところでございますが、状況によっては、今後、土地収用制度の活用についても検討を行うなど、早期の供用開始を目指してまいります。
また、福生駅西口地区市街地再開発事業については、物価高騰の影響による資材や工事費の高騰、また、労務単価の値上がり、施工計画等の検討協議に係る期間の長期化等により、事業全体のスケジュールを延伸している状況でございますが、事業の重要性に変わりはございませんので、今後も社会状況等を見極めながら、再開発準備組合への支援を行ってまいります。
熊川駅のバリアフリー化も進めてまいります。これで、現在設計作業を進めている東福生駅のバリアフリー化と合わせ、市内5つの駅全てにエレベーターが設置されることになり、市全域において利便性の向上が図られるものと考えております。
公共施設の老朽化に対しても、しっかりと取り組んでまいります。市役所本庁舎は、建設後15年以上が経過し、空調設備の更新時期を迎えております。そのため、設備更新型ESCO事業にて、空調設備の更新や照明機器のLED化等を実施し、空調設備の安定稼働と庁舎設備の省エネルギー化を図ってまいります。
学校施設では、老朽化した空調設備の更新について、防衛省の補助金を活用した防音機能復旧(復機)事業として計画的に進めており、令和6年度は、小学校3校、中学校2校の校舎や講堂の工事を実施いたします。
なお、福生第四小学校については、空調設備の外、照明のLED化、外壁、屋上防水、バリアフリー化等の改修を一体的に実施する、避難施設整備事業として実施し、令和6年度は、同敷地内にございます、旧第二学校給食センターを転用した備蓄倉庫の工事を実施いたします。
そして、今後も、老朽化した学校施設の改修、更新が続くことが想定されます。それにあたっては再編、再配置のグランドデザインが必要となりますので、教育委員会と連携を密にしながら、施設面と教育課程双方からの課題検討を行い、方針を策定してまいります。
また、屋外体育施設の福東テニスコート及び武蔵野台テニスコートにつきましては、令和6年度以降、順次、人工芝の張替や管理棟の改築工事等を実施し、より安全で快適に利用できるよう環境を整えてまいります。
ソフト分野
次に、ソフト分野でございます。
まちの賑わいに資する取組として、6月に、5年ぶりとなる「福生ほたる祭り」を開催いたします。開催に当たりましては、地元の町会等に御協力をいただきながら、新たに「福生ほたる祭り実行委員会」を設立し、市が事務局として実施してまいります。令和6年度は「七夕」、「桜」そして「蛍」と、本市が誇る三つの祭りが、全て開催されることになります。これまで以上に活気に満ちた祭りとなるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。
子育て施策についても、手綱を緩めずに展開してまいります。
この4月から、新たに「こども家庭センター」と「児童発達支援センター」を開設いたします。
「こども家庭センター」については、保健センターの2階に設置をいたします。これまで組織が分かれていた「子育て世代包括支援センター機能」と「子ども家庭支援センター機能」を統合して、妊娠の届出から、出産、子どもに関する相談までを、同一施設内で切れ目なく実施してまいります。
「児童発達支援センター」については、福祉センター内に設置をいたします。発達に関する相談から専門的な療育の提供に至る継続した支援や、保護者交流会などの家族支援、更に、保育園や学校などと連携した地域支援事業を実施いたします。
この2つの施設が稼働することで、本市における子育て環境が一段と強化されるものと確信しております。
更に、子育て世代の経済的な負担軽減についても積極的に取り組んでまいります。
保育所等や小中学校で提供する給食の食材費が高騰しており、従前より、値上げを抑止するための対策を講じてまいりました。しかしながら、長引く物価高騰が、子育て世代の家計を著しく圧迫している状況に鑑み、大変思慮いたしましたが、「子育てするなら ふっさ」、「こどもまんなか ふっさ」を実現するため、市独自の子育て支援施策として、令和6年度から、小中学校の学校給食費を全額公費にて負担することといたしました。
学校給食の在り方は全国共通の課題であり、無償化についても、本来、国の責任と財源において進めていくべきとの考えに変わりはございませんので、今後、関係機関に対してしっかりと要望等を行ってまいります。
次に、福祉施策についてでございます。
近年、複雑化、複合化する福祉に関する諸課題に対応するため、令和5年度から実施しております重層的支援体制の整備に向けた移行準備事業に引き続き取り組んでまいります。
また、高齢者のみの世帯の増加や家族の負担の増加等により、介護サービスの需要が高まる一方で、介護人材の不足が懸念されております。そのため、介護サービス事業所が実施する人材の確保や定着を図る取組や、介護サービスの質の向上を図る取組に対する支援として、介護従事者の資格取得に係る費用等の補助を実施いたします。更に、デジタル機器の導入による業務の効率化に対する補助を実施するなど、介護事業所における利用者支援の量の確保と質の向上に取り組んでまいります。
横田基地について
最後に横田基地について申し上げます。
行政面積の約3分の1を横田基地に提供している福生市にとって、その存在は、航空機の騒音公害をはじめ都市計画への影響や地域経済の発展阻害要因となるなど、市民生活に大きな影響を与えております。
国の防衛や安全保障に関することは、国の専管事項ではございますが、であるからこそ、基地の存在に起因する様々な問題は、基地周辺住民だけが犠牲になるのではなく、広く国民全体の問題として捉え、国が責任を持ってその対策に万全を期すべきであるという考えに変わりはございません。
昨年の11月29日には、鹿児島県屋久島沖合で横田基地所属のCV-22オスプレイが墜落いたしました。
東京都、基地周辺5市1町でも連携して要請を行いましたが、私からも直接、防衛省地方協力局総務課長や北関東防衛局長に対し、事故の原因が究明されるまでのオスプレイの飛行停止や安全管理の徹底と再発防止などを国から米軍に申し入れるよう訴えました。
今回の事故を受けまして、市民の皆様も非常に不安を感じていらっしゃると思います。私は、市民の安心には情報が重要であると考えております。今後も、迅速かつ丁寧な情報提供を国及び米軍に対し、強く求めてまいります。
我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、周辺国の軍事活動が活発化しており、基地への注目度は増しておりますが、基地を抱える自治体として、引き続き、東京都や基地周辺5市1町でも十分に連携し、基地対策に取り組んでまいります。
令和6年度予算編成
次に、令和6年度の予算編成に対する考え方と、予算規模について申し上げます。
令和6年度予算は、ロシアのウクライナ侵略などによる、エネルギー価格や原材料価格の上昇に伴う物価高騰などの影響を大きく受けております。
市税収入においては、前年度比2億5千万円以上減少しておりますが、これは、国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」等を踏まえた定額減税の影響を受けたものであり、それを除外いたしますと、令和5年度当初予算と同規模となっております。
また、賃金の上昇が物価高に追い付いていない状況であり、ウクライナや中東地域をめぐる国際情勢や物価高騰の行方についても、先行きが不透明な状況にあり、今後の財政に与える影響も懸念されるところでございます。
そのため、公会計から得られる行政コスト情報などをもとに、各課において徹底した分析・検証を行い、物価高騰などを契機とした継続事業の見直しや新規・改善事業を精査し、限られた財源を有効に使うことを念頭に編成いたしました。
一般会計の予算規模は、355億4千万円で、前年度比82億6千万円、30.3パーセントの大幅な増となっており、3年連続で過去最大の予算となっております。この増額分のうち、約68億円については、今後の課題である公共施設の再編や整備等に備えるに当たり、基金を効率的かつ機動的に活用できるよう、都市施設整備基金などの3つの施設に係る基金を統合することによるものでございます。
なお、実質的な予算規模は、この68億円を除いた287億4千万円、前年度比14億6千万円、5.4パーセントの増となりますが、いずれにいたしましても、3年連続で過去最大の予算となっております。
また、施設保全・改修計画に基づく公共施設の適正管理など、今後も様々な事業が予定されていることを踏まえますと、新たな歳入の確保や更なる経常経費の削減、DXによる市民の利便性の向上や事務の効率化などが必要不可欠と考えておりますので、健全な財政運営に向けて、着実に取り組んでいく所存でございます。
なお、予算の内容等につきましては、実施計画・予算説明書に記載をしておりますので、御参照いただきたいと存じます。
令和6年度の主な施策について
最後に、令和6年度の主な施策について申し上げます。
令和6年度は、ただいま申し上げました予算編成の考え方に基づき、様々な施策に取り組んでまいりますが、ここでは、先ほど申し上げました、重要施策以外の特徴的なものについて、予算説明書の順に従い、各部ごとに述べさせていただきます。
企画財政部
まず、企画財政部でございます。
DXの取組の一環として、利用者が多いLINE上で、職員が電子申請や講座予約等のフォームを作成できる環境を整備し、市民の利便性の向上と業務の効率化を図ってまいります。
また、手書きや印刷された文字をデータ化するシステムの導入や、対面での相談業務や電話応対時の記録を即時に文字起こしできるシステムを導入するなど、積極的に庁内のDXについても推進してまいります。
更に、現在は、体育施設や地域会館等の施設においては、システム上で予約が完結せず、窓口への来館が必要なものもございますが、利用者の利便性の向上を図るため、システムからの予約やキャッシュレス決済で使用料の支払いが可能となる公共施設予約システムの令和7年度からの運用開始に向けて準備を進めてまいります。
総務部
次に、総務部でございます。
現在、火災発生時の消防団員の出動要請は、消防署からの連絡をもとに、市の防災行政無線の放送で行っておりますが、令和6年度からは、これに加え、システムの導入により、消防署から直接団員へ電話やメールが届くようにいたします。市民の安全を守るため、より迅速かつ正確に火災現場を団員へ伝えられるよう、確実な情報伝達に努めてまいります。
また、地域防災の要である自主防災組織が実施しております、民間バスを借り上げての防災センター等への団体研修については、近年の燃料費高騰時においても確実に実施し、組織の育成及び充実が図れるよう、柔軟な財政支援を実施してまいります。
市民部
次に、市民部でございます。
婚姻届を提出された方にお渡ししている結婚記念品について、提出する婚姻届の筆跡を記念として手元に残せるよう見直しを行い、市オリジナルの台紙とともに祝意を表し、贈呈いたします。
また、市税等の収納対策として、これまで書面で実施しておりました金融機関に対する財産調査を電子化し、調査の効率化を図ることで、更なる自主財源の確保に努めてまいります。
生活環境部
次に、生活環境部でございます。
これまでも、地域商業の活性化に向けて、市内での創業を積極的に支援してまいりましたが、創業ニーズが高まっている現状において、更に創業支援を進めるため、市の創業に関する各種取組や支援策、創業までの流れ等を盛り込んだパンフレットを作成し、配布いたします。市の広報やホームページでの周知だけでなく、パンフレットの配布により周知方法の多様化が図られ、創業者が様々な機会で情報を得ることができるものと考えております。
福祉保健部
次に、福祉保健部でございます。
地域の高齢者の会食や、会食を通じた交流の場を確保するため、地域の団体が実施する「長寿ふれあい食堂」の運営に要する費用について補助を行い、高齢者の交流機会の増加や心身の健康増進、多世代交流の促進を図ってまいります。
子ども家庭部
次に、子ども家庭部でございます。
国が策定する「こども大綱」を基に、「若者に関すること」、「子どもの貧困対策に関すること」、「次世代育成支援に関すること」、これらを包含した「こども計画」を策定してまいります。
また、現在、市では1歳の誕生日を迎えたお子様の育児を応援するため、1万円相当のギフト券を贈呈しておりますが、令和6年度からは、その金額を、第1子については6万円相当、第2子は7万円相当、第3子以降へは8万円相当へと拡充し、子育て世帯への経済的支援を行ってまいります。
都市建設部
次に、都市建設部でございます。
子育て世帯に配慮した住宅の供給促進を図ることを目的に実施しております「子育て支援住宅整備助成事業」について、対象要件を緩和するとともに、助成金の上限額を引き上げることで、子育てしやすい住宅の整備を促してまいります。
教育部
最後に教育部でございます。
質の高い専門的な指導を受けられるなどの効果を見込んだ小・中学校の水泳授業の委託化を始め、学校と地域が協働した形での部活動の環境整備の検討など、改善事業が多数ございますが、詳細については、このあと、教育長から申し上げますので、よろしくお願いいたします。
以上が令和6年度の主な施策でございます。具体的な事業内容や計画につきましては、実施計画・予算説明書に記載をしておりますので、御参照いただきたいと存じます。
結びに
昨今、日本社会を「失われた30年」などと称し、社会に停滞感が漂う中、昨年は、将棋界では、藤井聡太さんが、史上初めて8冠全てを制覇し、そして、野球界では、メジャーリーガーの大谷翔平さんが、史上初となる2度目の満票によるMVPに輝くなど、二人の若者が日本中に夢と希望を与えました。
奇しくも、約30年前の平成7年度に、羽生善治さんが、7冠全てを制覇し、野茂英雄さんが、全米にトルネード旋風を巻き起こしたことが思い出されます。
この30年は、新たな才能を「生み出した30年」ともいえるのではないでしょうか。
今こそ、高い志をもって、未来に向かって挑戦してまいりましょう。
結びとなりますが、福生駅西口地区市街地再開発事業や福生駅東口の富士見通り線整備事業など、重要な施策がコロナ禍の影響等により、道半ばの状況となっております。そのため、持続可能な形でこれらの事業を軌道に乗せ、福生市の発展、存続の道を確かなものとして、次代につなげてまいりたいと考えております。
「継続は力なり」と申します。福生市は、市民、事業者そして行政が、それぞれ力を尽くしながら、常にチャレンジし、改革を繰り返しながら、郷土愛を醸成させ、「福」が生まれるまちとして発展、存続してまいりました。
引き続き、「人を育み 夢を育む 未来につながるまち ふっさ」の実現に向けて全身全霊で取り組んでまいることをお誓いいたします。
以上で、令和6年度の施政方針とさせていただきます。
長時間に渡り御清聴賜りまして、誠にありがとうございました。
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