令和2年度施政方針

 

ページ番号1009902  更新日 令和2年4月7日 印刷 

令和2年第1回福生市議会定例会における市長の令和2年度施政方針です。

※以下は、令和2年3月3日時点での内容です。

新型コロナウイルスに関連した市の対応について

まず、施政方針の前に、世界的に拡大をしております新型コロナウイルスに関しまして、その状況を述べさせていただきます。

昨年12月以降、中華人民共和国湖北省武漢市において、新型コロナウイルス関連肺炎の発生が報告されて以来、世界各地から報告があり、国内でも新型コロナウイルス感染症患者の発生が複数報告され、連日、新聞等で報道されております。

国や東京都は、感染拡大を防止するため、本年1月30日に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、対策に取り組んでおります。

安倍晋三内閣総理大臣は、2月29日の記者会見において「これから1、2週間が、急速な拡大に進むか、終息できるかの瀬戸際となるという専門家の意見を踏まえ、今から2週間程度、国内の感染拡大を防止するため、あらゆる手を尽くす」と述べております。

国は、感染拡大を防止する観点から2週間程度、イベント等について、延期または中止を要請する考えを示しました。東京都は、都主催イベントの取扱いについての対応方針を示しまして、3月15日までの間は、延期または中止とする方針を出しております。

福生市におきましても、対策会議を設置し、対策等の検討を行いまして、市ホームページや広報ふっさに情報を掲載し、市民の皆様へ感染予防等について情報提供を行ってまいりました。

そして、先週の2月26日には、市が主催、共催するイベント等についての対応方針を決定し、市独自に、3月31日までの間に実施するものにつきましては、原則、中止または延期といたしたところでございます。

また、市の関連団体が実施するイベントにつきましても、市の対応方針の趣旨を御理解いただくようお願いしておりまして、今月の28日から開催予定でございました、ふっさ桜まつりにつきましても、実行委員会におきまして中止とする判断をされたところでございます。

市内小・中学校の対応といたしましては、3月2日の1校時終了後から修了式までの間、臨時休業といたしました。

卒業式につきましては、参列される方を対象児童・生徒と保護者に限定させていただき、マスクも着用していただきます。来賓は呼ばずに挨拶も校長先生のみとし、できるだけ短時間で終わらせる方向で実施しようと考えております。

市内小・中学校の臨時休業の期間中、児童・生徒は基本的に自宅で過ごしていただきますが、児童の安全確保と居場所づくりのために、ふっさっ子の広場と学童クラブにおいて、3月2日から臨時対応を実施いたしております。

市では、令和2年3月1日の市広報に臨時号として「新型コロナウイルス感染症に関する福生市の対応について」を折り込むとともに、市ホームページでも周知を図っているところでございますが、今後も引き続き、中止や延期をするイベント等について、市ホームページや広報でお知らせをしてまいります。

市といたしましても情報収集に努め、市民の皆様に正確な情報提供を行うとともに、感染予防等の対策に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

はじめに

それでは、施政方針を述べさせていただきます。

令和2年第1回市議会定例会に当たり、貴重なお時間をいただきまして、私の令和における初めての施政方針を申し述べさせていただきますことを、心から感謝申し上げる次第でございます。

早いもので、私の市長在任期間は11年と10か月となりました。

昭和45年7月1日の市制施行以来、歴代の福生市長がさまざまな困難を乗り越えて築かれてきた輝かしい歴史を引き継がせていただき、これまで私は、市民の皆様の誰もが未来に夢を持つことができ、ずっとこのまちに住み続けたいと思っていただけるよう、「このまちが好き 夢かなうまち 福生」を目標に掲げ、その実現に向けて全力でまちづくりに取り組んでまいりました。

この間、議員各位をはじめ、市民の皆様、関係各位から賜りました多大なる御支援と御協力、そして御指導は、私がまちづくりを進めるに当たっての大きな力となり、勇気を与えていただきました。

さまざまな分野において、三振を恐れずスピード感をもって施策を展開し、福生市の更なる発展に向けて取り組むことができましたことにつきまして、改めて、この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げます。

社会を取り巻く状況とこれからの行政課題について

それでははじめに、社会を取り巻く状況とこれからの行政課題でございます。

世界情勢に目を向けますと、米国と中国との間では貿易問題に関して覇権をかけた対立が続いており、ヨーロッパでは混迷を続けたブレグジットと呼ばれる英国の欧州連合離脱が本年1月末に行われ、中東ではイランをめぐる経済制裁により緊張が高まるなど、不安定で先の見通せない情勢が続いております。

また、気候変動により世界各地において大災害が発生するなど、地球規模の問題が発生し、日本への影響も懸念されております。

国内におきましては、全国的な人口減少、超高齢社会の到来、人手不足、ライフスタイルの多様化への対応などが大きな課題となっているほか、人生100年時代の到来に備えた社会保障全般にわたる改革も急務となっております。

更に、国においては、「Society5.0」が提唱されております。これは、インターネットをはじめ、人工知能、いわゆるAIやロボットなどを活用したシステムによって経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の新たな社会を目指すというものでございまして、今後、社会を大きく変えていく可能性がございます。

一方で、福生市における課題でございますが、人口減少対策は重要課題となっております。御案内のとおり、既に平成25年から子育て世代をターゲットとした定住化の取組を開始しており、これまでさまざまな分野において定住化施策を展開し、一定の成果が出ているところでございますが、今後も引き続き、定住化対策のための施策展開が重要であると考えております。

また、超高齢社会の到来が福生市にどのような影響を及ぼすのか注視をしていくほか、公共施設の老朽化への対応や、大型台風による風水害など、災害への万全の備えも求められております。

更に、多様化する市民ニーズに的確に対応した行政サービスを効率的に提供するために、AIの活用の検討も必要となってまいります。

令和2年度も取り組むべき課題が数多くございますが、この課題に対して我々行政、市民の代表である議員各位、市民の皆様で力を合わせて全力で立ち向かうことが、福生市全体の安全安心と発展につながると同時に、将来にわたって持続可能な市政運営を可能にするものであると私は信じております。

市では、昨年6月に令和2年度から令和11年度までの10年間を計画期間とする「第5期福生市基本構想」を策定いたしました。また、基本構想を実現するための基本計画についても今月完成し、4月からは「第5期福生市総合計画」として、スタートいたします。

まちづくりの基本理念を「ひと」、「まち」、「くらし」の3つの視点を意識することとし、目指すまちの姿を「人を育み 夢を育む 未来につながるまち ふっさ」といたしました。

福生市に暮らす市民の皆様をはじめといたしまして、福生市に関わる皆様お一人おひとりが、日常生活や夢に自分らしく向き合い、その姿をお互いに受け入れ、尊重し合っていけるまちを目指してさまざまな施策を展開してまいります。

一年を振り返って

さて、昨年を振り返ってみますと、まず一番大きな出来事といたしましては、天皇陛下の御即位でございます。

5月1日に天皇陛下が御即位され、平成という時代から令和という時代にバトンが引き継がれました。人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められた「令和」という時代の幕開けに、私自身も気持ちを新たにして、市民の皆様のため、福生市の更なる発展のために頑張っていかなければならないと感じたところでございます。

スポーツ分野、特に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについて

スポーツ分野での大きな話題といたしましては、世界的なスポーツの祭典であるラグビーワールドカップが、9月から11月にかけて日本で開催されました。日本代表は見事予選リーグを突破しベスト8入りを果たすという、世界中が驚く結果を残しましたが、日本の選手が「ワンチーム」となって戦う姿は日本中に興奮と感動と勇気をもたらしたとともに、ホスト国としての日本の対応が世界中から高い評価を受けるなど、多くの人々の記憶に残る大会となりました。

また、本年は世界的なスポーツの祭典である「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が開催されますが、市民の皆様のオリンピック・パラリンピックへの気運醸成を図るため、市では令和元年度におきましてもさまざまな事業を実施いたしました。

市の最大のイベントである「福生七夕まつり」では、女子マラソンでバルセロナオリンピックにおいて銀メダル、アトランタオリンピックにおいて銅メダルを獲得された有森裕子氏を招聘してトークイベントを実施いたしましたところ、大変多くの方々の御来場をいただき、メダリストの貴重なお話を伺うことができました。

11月には、市営福生野球場においてブラインドサッカーのイベントを開催し、障害者及び障害者スポーツへの理解促進も図ったところでございます。

また、気運醸成はもとより、オリンピック・パラリンピック後の地域レガシーにつなげるため、市営競技場の人工芝敷設及び管理棟改修工事を実施いたしました。なお、市営競技場につきましては、11月にネーミングライツ・パートナーが決定し、本年4月から「ネッツ多摩S&Dフィールド」の愛称で新たにオープンする予定でございまして、地域レガシーとともに、これまで以上に市民の皆様に親しまれる施設となることを期待いたしております。

更に、今月からは市役所及びその周辺にシティドレッシングと呼ばれる都市装飾を実施し、庁舎第二棟壁面には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のデュアルエンブレムシートを設置するなど、大会開催を盛り上げるために取り組んでいるところでございます。引き続き、市民の皆様のオリンピック・パラリンピックへの参加意識の醸成が図れるよう、多くの事業に取り組んでまいりたいと存じます。

市制施行50周年記念事業について

また、令和2年度は、福生市として、歴史的に大変重要な節目である市制施行50周年を迎えます。この記念すべき年を市民の皆様とともに祝い、心に残せる年とするため、市では昨年、市制施行50周年記念事業計画を策定するとともに、ロゴマークも制作いたしました。ロゴマークの制作は都立福生高等学校美術部の生徒の皆様にお願いし、市内の小・中学校の児童・生徒の皆様の投票により決定いたしましたが、このロゴマークにつきましては、新聞報道でも取り上げられ、話題となりました。

市では、市制施行50周年を盛り上げるため、さまざまな事業を予定しておりますが、既に本年1月から記念事業を開始いたしております。50周年を記念した福生市消防団出初め式や、令和2年に生まれたお子様の出生記念として命名紙と額の配布を実施し、更に、今月からは庁舎第一棟壁面にロゴマークの装飾シートを設置するなど、事業を展開しております。今後も引き続き、50周年を市民の皆様とともにお祝いすることができるよう職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

子育て支援施策について

年末には、福生市にとって大変嬉しいニュースが入ってまいりました。市では、「子育てするならふっさ」をスローガンに、全庁をあげて子育て支援施策の充実に取り組んでおりますが、日経DUAL(デュアル)と日本経済新聞社が実施した「共働き子育てしやすい街ランキング2019」において、総合5位の高評価をいただきました。前年の6位から1つ順位を上げ、5年連続でトップ10入りを果たすことができましたが、このように続けて高評価をいただいているのは、全国の自治体でも福生市だけでございます。私といたしましては、これまでの取組が間違っていないものであると確信いたしますとともに、今後も子育て支援施策の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。

災害、特に台風第15号、第19号への対応について

一方で、昨年は全国的に自然災害の多い年でした。特に風水害の被害が大きく、8月の九州北部豪雨をはじめ、9月には台風第15号、更に10月の台風第19号と日本各地で記録的な豪雨による土砂災害、河川の氾濫など大きな被害が発生し、多くの自治体においてその対応を迫られました。

特に台風第19号では、福生市でもこれまでに経験したことのない災害対応を実施いたしました。

豪雨により多摩川の氾濫の危険性が高まったため、市では災害対策本部を設置し、その後、大雨特別警報が発令されたことから、南田園・北田園地区の約3,500世帯、約6,800人を対象に、初めて避難指示(緊急)を発令いたしました。最終的に1,600人弱の方々が避難されましたが、洪水警報が解除されるまでの2日間で、体育館や防災食育センターなど11か所の避難所を開設し、市職員及び消防団員の皆様など450人以上で、更に町会・自治会長や民生委員の皆様などの協力を得ながら、避難者の安全を確保するなどの対応を行ったところでございます。

なお、本市の被害状況といたしましては、福生南公園、多摩川中央公園などで冠水がありましたが、幸いにも人的被害はございませんでした。

台風第19号に対する市の対応につきましては、市民の方々から感謝の声を多数いただき、大変ありがたく思っておりますが、一方で課題も多くございました。このことから、市では今回の経験を今後の防災施策に生かしていくため、昨年12月に市民の皆様との意見交換会を開催し、多くの大変貴重な御意見をいただきました。その後、庁内での検証会議を経て、災害対策に必要とされる事業を取りまとめたところでございます。

近年は異常気象により、数十年に一度と言われる記録的な大雨や大規模台風などがたびたび発生しております。また、大地震発生時への備えも大変重要でございます。私といたしましては、市民の皆様の安全安心を確保することを最優先事項といたしまして、防災対策に万全を期してまいりたいと考えております。

令和2年度の市政の重要事項について

それでは、令和2年度の重要施策を申し上げます。御案内のとおり、令和2年度は第5期福生市総合計画がスタートするとともに、市制施行50周年記念式典をはじめ、第70回福生七夕まつり、オリンピック・パラリンピックなど大イベントが重なる歴史的に大きな節目の年でございます。

市制施行50周年記念事業について

はじめに、市制施行50周年記念事業関連でございます。先ほど申し上げましたとおり、50周年を祝する気運を醸成するため、既に事業を実施しているものもございますが、中心となる事業といたしまして50周年記念式典を7月5日に市民会館もくせいホールにて実施いたします。当日は、市政の発展に貢献された方々への表彰のほか、記念映像の上映や、市にゆかりのある方による公演を予定しております。更に福生市と同じく50年前に市制を施行した四五都市連絡協議会の北海道登別市と滋賀県守山市の市長と市議会議長、副議長をお招きして、式典を盛り上げてまいりたいと考えております。

また、第70回を迎える福生七夕まつりは、例年の8月開催といたしますとオリンピック・パラリンピックの開催期間と重なるため、福生警察署と十分に協議をさせていただきました結果、7月2日から4日にかけて3日間で実施することといたしました。第70回という節目を盛大に盛り上げるため、市制施行50周年を記念した竹飾りを設置するほか、記念グッズの作成、ステージイベント等を実施してまいります。

このほかにも、福生ほたる祭等において50周年をPRしていただけるよう観光対策事業の予算拡充を図るほか、公開番組の誘致、平和のつどいの充実、学童クラブとふっさっ子の広場一体型事業での「福生かるた」の作成、市民文化祭における記念事業、公民館本館運営事業では、市民音楽祭における記念事業及び著名なジャーナリストによる特別講演会を実施いたします。ここではすべてを申し上げることはできませんが、令和3年3月までの間、市の多くの部署において、さまざまな記念事業を実施し、市民の皆様と力を合わせて、市制施行50周年を祝すとともに、次の50年に向けた新たなまちづくりのための大きな一歩となる年となるよう、オール福生で取り組んでまいりたいと考えております。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連事業について

次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連でございます。東京2020オリンピック・パラリンピック推進事業といたしまして、福生市では7月13日に実施される聖火リレーの支援を行います。現在発表されているリレーコースは、睦橋東交差点をスタートして田園通りを北に向かい、五日市街道法務局入口交差点を右折し、新奥多摩街道牛浜郵便局前交差点を左折、最後は福生市役所丘の広場をゴールとする全長約2.6キロメートルでございまして、オリンピック・パラリンピック組織委員会が選出したランナーにより聖火がリレーされる予定でございます。市では、沿道整理等のボランティア募集、市役所丘の広場を会場としたミニセレブレーションの実施、聖火リレーの開催をレガシーとして残すための記念銘板の設置等を行います。

更に、8月21日には、東京2020パラリンピック聖火リレーに際しまして、市役所丘の広場において市独自に採火式を実施し、市民の皆様がパラリンピック聖火リレーに参加できる機会を創出し、パラリンピック開催気運の醸成等を図ります。

なお、いずれの事業につきましても詳細が決まりましたら、議員各位、市民の皆様にお知らせをしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

また、学校観戦プログラムを通じて、市内の公立学校に通うすべての小・中学生にオリンピック・パラリンピック競技を会場で直接観戦していただくほか、四五都市連絡協議会で交流のある北海道登別市と滋賀県守山市の子どもたちを東京に招いて、パラリンピック競技を観戦していただき、一生心に残る感動体験の機会を設けたいと考えております。

更に、4月にリニューアルオープンする市営競技場では、市制施行50周年記念事業といたしまして、「ネッツ多摩S&Dフィールド」オープニングセレモニーを開催し、地域スポーツクラブによる競技のデモンストレーションやオリンピアンによるトークイベントを実施いたします。人工芝生化した市営競技場は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の地域レガシーとして多くの方々に御利用いただきたいと考えております。

災害対策事業について

次に、市制施行50周年とオリンピック・パラリンピック関連以外の重要施策を申し上げさせていただきます。

はじめに、災害対策事業でございます。

先ほども申し上げましたが、昨年の台風第19号に対する災害対応は市にとって初めての経験であり、一定の評価をいただくことができたものの、多くの課題もございました。私といたしましては、災害に強いまちづくりの重要性を再認識いたしましたことから、令和2年度では、更なる災害対策事業の充実を図ってまいります。

まず、台風第19号では、防災行政無線が聞き取れないとの御意見が多く寄せられましたことから、現在、難聴対策として貸与している防災行政無線の戸別受信器の購入に必要な予算を拡充いたします。

また、災害時における災害対策本部と避難所との間の情報伝達手段を充実させるため、避難所等にモバイルルーターを配備するとともに、エアマット等を購入するなど、災害備蓄品の充実を図ります。

併せて、水害時への対応といたしまして、消防団本部に救命ボートを1艘(そう)配備するほか、外国人への情報提供ツールといたしまして、音声翻訳機を導入いたします。

更に、大雨警報の発令や台風が本市に接近する場合には、気象判断の専門家である防災対策アドバイザーに助言をいただき、市の対応方針を決定することができるよう体制の強化を図ります。

今後も引き続き、市民の安全安心を確保するため、万全な防災体制を整備してまいります。

福生市公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画の策定について

次に、公共施設のマネジメントを推進するため、福生市公共施設等総合管理計画に基づき個別施設計画を策定いたします。この計画は、公共施設の建物と機能、それぞれの将来の方向性を定めるもので、本計画を策定することにより、複合化、集約化といった施設の再配置の推進や、長寿命化、予防保全型の維持管理を計画的に行い、公共施設の老朽化への課題に対応していくものでございます。

子育て支援施策について

次に、定住化対策の中心的施策である子育て支援施策では、学童クラブ事業といたしまして福生第三小学校内に臨時さくらクラブを設置し、十分な育成スペースを確保するとともに、学童クラブへ通所する際の安全性の向上を図ります。更に、福生第七小学校では、「新・放課後子ども総合プラン」に基づく、臨時第2田園クラブとふっさっ子の広場の「一体型放課後対策モデル事業」を開始いたします。児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動ができるよう、放課後の居場所づくりを進めてまいります。

福生駅西口地区の市街地再開発支援の取組について

次に、福生駅西口地区の市街地再開発支援の取組でございます。

私といたしましては、福生市の未来を左右する大変重要な意味を持つプロジェクトであると考えております。令和2年度は令和元年度に引き続き、福生駅西口地区市街地再開発事業における公共施設の役割や基本的な整備方針について、福生駅西口地区公共施設整備基本計画に基づく実施計画の策定に向けて、新たな施策等を含め検討を進めてまいります。完成までにはまだ時間が必要でございますが、整備する公共施設が市民の皆様の居場所となり、賑わいを創出し、新たなコミュニティが形成される場となるよう、まずは都市計画決定に向けて、着実に、かつスピード感をもって取り組んでまいりたいと考えております。

また、福生駅東口におきましては、引き続き、都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業を進めてまいります。福生駅西口と合わせて、福生駅周辺が大きく生まれ変わることで、福生市全体の明るい未来と更なる発展を期待するものでございます。皆様におかれましては、一層の御理解と御協力をお願いいたします。

横田基地について

そして、横田基地についてでございます。

私はこれまで、防衛省本省や北関東防衛局に何度も出向きまして、航空機の騒音や安全対策の徹底等に関する市民の皆様の声を訴えてまいりました。

また、平成30年10月に5機が配備され、令和6年頃までに更に5機の追加配備の計画があるCV-22オスプレイにつきましても、その運用に関する迅速かつ正確な情報提供、安全対策の徹底、基地周辺住民の生活環境への配慮等を強く求めてまいりました。

基地に起因する諸問題は、基地周辺の住民だけが犠牲になるということではなく、国民全体の問題として捉え、国が責任をもってその対策に万全を期すべきと考えており、引き続き、国や米軍に対しまして、騒音対策や安全対策の徹底等を粘り強く要請していくとともに、東京都や横田基地周辺5市1町でも十分に連携を図りながら、横田基地対策に全力で取り組んでまいります。

令和2年度の予算編成について

これらの重要施策を踏まえまして、令和2年度の予算編成に対する考え方と、予算規模について申し上げます。

令和2年度予算は、新元号となって初めて編成する当初予算であり、地方公会計制度で編成する5年目の予算でもございます。財務諸表の経年比較から得られる情報を活用し、各部・各課のマネジメントを一層強化し、中長期的な視点に立ち、職員一人ひとりがコスト意識を持って、経常経費の削減や事務事業の委託化、必要性や有効性の薄れている事業の見直しなど、限られた財源を有効に使うことを念頭に編成いたしました。

予算の内容でございますが、昨年10月に実施された幼児教育・保育の無償化の通年化や学校給食費の公会計化、市制施行50周年記念事業や台風第19号被害を踏まえた災害対策などを盛り込んだものとなっております。

一般会計の予算規模は、247億8千万円となり、前年度比で3億円、1.2パーセントの減となっておりますが、令和元年度に引き続き、大きな規模の予算となっております。

市税が大きく伸びない中、財源不足の状況は変わっておりません。

このため、臨時財政対策債の借入れを4億円としておりますが、将来の財政需要に備え、財政調整基金からの繰入はゼロといたしました。

今後、福生駅西口地区の市街地再開発や個別施設計画策定に伴う大規模建設事業など、多くの財源が必要となります。

このような中で、更なる市民サービスの向上を図るためには、新たな歳入の確保や経常経費の削減が必要不可欠と考えておりますことから、健全な財政運営に向けて、着実に取り組んでまいります。

部ごとの取組について

ただ今申し上げました予算編成方針のもと、令和2年度もさまざまな事業に取り組んでまいりますが、先ほど述べました「重要施策」以外の取組につきまして、主なものを予算説明書の順に従い、各部ごとに述べさせていただきます。

企画財政部

まず、企画財政部でございますが、これからの多文化共生施策を検討するに当たり、羽村市と連携して「ふっさ・はむら多文化共生事業協議会」を設置し、多文化共生に関するアンケート調査等を実施いたします。

また、AI等の社会実装における福生市の試みといたしまして、言語による情報格差の解消や利便性の向上、業務の効率化を図るため、多言語AIチャットボット等の導入及びAIによるデータ分析等に関する実証実験を行います。

総務部

次に、総務部でございますが、先ほど重要施策で申し上げました市制施行50周年記念事業を所管するほか、国勢調査等も実施いたします。また、引き続き防災行政無線移動系施設の改良事業等についても取り組んでまいります。

市民部

次に市民部でございます。証明書を発行する際に出力する紙ベースの申請書につきまして、その一部を電子ペーパー化し、紙資源の削減を図ります。

また、転入転出等の手続きを行う際に職員が活用している異動連絡票を端末に表示するシステムを導入し、待ち時間の短縮と事務の効率化を図ります。

更に、納税催告の新たな手法といたしまして、既存の電話催告や文書催告に加えて、携帯電話の「SMS(ショートメッセージサービス)」を活用し滞納対策の強化を図ります。

生活環境部

次に、生活環境部でございます。これまで実施してまいりましたコミュニティビジネス支援事業補助金を空き店舗活用補助金に変更し、従来の地域課題解決に対する支援のほか、広く空き店舗を活用した事業に活用できることとし、商店街振興と地域産業の活性化を図ってまいります。

また、リサイクルセンターの設備や機器の延命化を図るため、長寿命化総合計画に基づき、令和元年度に引き続き基幹的設備改良工事を実施いたします。

福祉保健部

次に、福祉保健部でございます。まず、聴覚障害者や外国人との円滑な意思疎通を図るため、テレビ電話による手話通訳と13か国語の多言語通訳を行うことができるタブレット端末を窓口に設置いたします。

また、「がん患者ウィッグ等購入費助成金」を創設し、ウィッグ及び胸部補整具等の購入費の一部を助成することにより、がん治療を行っている方々の負担軽減を図ります。

更に、「自殺対策事業」といたしまして、市民ゲートキーパー研修による人材育成や自殺予防に関する講演会等による普及啓発、また市ホームページからアクセスが可能な「セルフメンタルヘルスチェックシステム」を整備し、自殺予防に努めてまいります。

子ども家庭部

次に、子ども家庭部でございます。保育士等と外国籍の保護者との十分なコミュニケーションが図れるよう、13か国語に対応できるテレビ電話通訳サービスを導入し、児童の病気・アレルギー等の確認や保育に関する制度の説明等に活用を図ってまいります。

都市建設部

次に、都市建設部でございますが、市の都市計画の基本的な方向性を示した「都市計画マスタープラン」の改定に令和2年度と3年度の2か年で取り組みます。すべての市民が心から住んでよかった、住み続けたいと思えるようなまちづくりに向けて、しっかりと市民の皆様の意向等を反映してまいります。

更に、東福生駅のバリアフリー化のため、エレベーター設置に向けて、調査測量、地質調査等を東日本旅客鉄道株式会社に委託して実施し、利用する方々の安全性と利便性の向上に取り組んでまいります。

また、市道幹線2-11号線(本町通り)無電柱化整備事業につきましては、本町通りの電線類地中化に伴い、支障移設工事に着手いたします。

そして、引き続き実施する日光橋公園外1公園整備事業では、令和2年度から3年度にかけて債務負担行為を設定し、整備工事に着手いたします。

なお、昨年10月に発生した台風第19号で被害を受けた福生南公園をはじめとした多摩川沿いの公園の復旧作業につきましても、令和元年度に引き続き着実に実施し、少しでも早く市民の皆様の憩いの場として開放できるよう努めてまいります。

教育部

最後に教育部でございますが、令和2年度からは、新たな福生市教育大綱に基づき施策を展開してまいります。

主要施策といたしましては、幼保小の円滑な接続・連携の研究や不登校特例校分教室の設置等により不登校対策の充実を図ります。また、学力診断テストの範囲を広げることにより、個に応じた学びの実現を図るほか、学校給食費の公会計化など、改善事業が多数ございます。また、引き続き、小学校及び中学校防音機能復旧(復機)事業を実施してまいります。

詳細につきましては、このあと、教育長から申し上げますので、よろしくお願いいたします。

 

このように、令和2年度においても、さまざまな事業を実施してまいりますが、具体的な事業内容や計画につきましては、実施計画・予算説明書により明らかにしておりますので、御参照いただきたいと存じます。

結び

繰り返しになりますが、令和2年度は市制施行50周年を迎える特別な年でございます。冒頭でも少々触れさせていただきましたが、昭和45年に福生市が誕生し、石川常太郎初代市長により市政運営が開始されました。その後、市政運営というバトンは田村匡雄第2代市長につながれ、更に石川彌八郎第3代市長、野澤久人第4代市長とつながれまして、現在、私がそのバトンを受け継いでおります。

また、市議会におかれましては、50年間で119名もの議員各位が、市民の代表として福生市の発展に御尽力
され、今、本議場には、50年の歴史を受け継がれる19名の市議会議員の皆様がおられます。

更に、数えきれないほど多くの市民の皆様のお力によって、50年という歴史が受け継がれてまいりました。

この間、福生市は、昭和40年に地方財政再建促進特別措置法による財政再建団体の指定を受けた苦い経験を教訓といたしまして、厳しい財政状況の中でもさまざまに知恵を絞り、健全な財政運営を行ってまいりました。

また、昭和48年に日本政府と米国政府との間で決定された関東平野空軍施設整理統合計画、いわゆるKPCPは、福生市と横田基地の歴史において最大の出来事でございましたが、市民生活を守るために全力で取り組まれ、その当時の基地対策の精神は、今日までしっかりと受け継がれております。

幾多の困難を乗り越えた50年という歴史をつなぐバトンは、非常に誇らしく思えますと同時に、大変重く感じられるものでございます。私といたしましては、これからの市政運営に対する大きな責任を感じ、身の引き締まる思いでございますとともに、令和2年度を次の50年へ向けた大きな一歩を踏み出す年とするために、全身全霊で取り組んでまいる覚悟でございます。市民の皆様、議員各位の御指導、御協力をいただきながら、オール福生で取り組むことが、福生市の更なる発展につながっていくと考えております。

 

結びに、私の市長3期目の任期も残すところ約2か月となりました。この間、多くの方々に支えられて市政運営を行うことができましたことを、心より感謝を申し上げますと同時に、議員各位、市民の皆様、関係各位、そして行政が力を合わせてオール福生で築いてきたまちづくりの流れを更に推進し、福生市の将来への確かな道筋をつけていくことをお誓い申し上げまして、私の令和2年度の施政方針とさせていただきます。

長時間にわたり御清聴を賜りまして、誠にありがとうございました。

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