苦難に立ち向かうために(令和5年10月1日号)
「広報ふっさ10月1日号」に掲載した市長の全力投球です。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」
この世の無常を川の流れに例えたこの文章は、日本初の災害文学とも言われる「方丈記」の冒頭です。
「方丈記」には、作者である鴨長明が経験した竜巻や地震、火災などの様子が克明に記されており、若い頃に読んだ時は、「なんて救いのない本だ。」と、あまり興味も引かれずにいました。
しかし今、改めて読み返してみると、この本は無常観を描くことで、人生の挫折や災害等の苦難に直面した人を応援するものだと感じました。時代が移り変わっても、人は自然の持つ力に翻弄 され、近年では、線状降水帯などこれまでにない規模の災害も頻発しています。
このような苦難に立ち向かうことができるよう、先人の残した記録と自身のこれまでの経験を活かし、市政を預かる者として、災害への備えを万全にしなくてはならないと思っています。
今年もまた、総合防災訓練の時期となります。10月15日の訓練を機に、改めて関係団体や市民の皆様と共に、防災について考えていきたいと思います。
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