雑木林の萌芽更新

 

ページ番号1002248  更新日 平成28年8月9日 印刷 

萌芽更新とは「積極的に手を加える」という緑地保全の方法です

画像:萌芽更新の説明図
萌芽更新の説明図

萌芽更新とは

広葉樹の幹を切ると、切り株からたくさんの芽が伸びだしてきます。多くの雑木林はこの芽を育てる方法でくり返し更新されてきました。これを萌芽更新と呼んでいます。萌芽更新は、植える手間が省けるばかりでなく、成長が早いので、短期間に細い材をたくさん生産するのに敵しています。この細い材は、薪や炭に利用されます。
萌芽する位置は、樹種によってさまざまです。切り口の形成層から萌芽するもの(ブナなど)、切り株の側面 から出るもの(コナラ、クリなど)、その他、地面のきわや地中から出るもの(ニセアカシアなど)があります。切り株からよく萌芽させるためには、できるだけ地表に近い部分を、滑らかに切ることが大切です。また、水がたまらないようにやや斜めに切るとよい結果 が得られます。伐採する季節は、樹皮がはげやすく、樹液の多い夏を避け、根株に貯蔵養分の多い冬の休眠期に行います。株が古くなって萌芽力が弱まった場合、改めて植栽することもあります。
このほかに萌芽を利用したものとして、幹を途中で切ってたくさんの枝を出させるクワの栽培は今でもよく見られます。また、現在はもう行われなくなってしまいましたが、多摩地域の一部では海苔栽培用の「ひび」として利用するため、ケヤキの枝を切ってそこから細い枝を萌芽させる特殊な栽培方法が行われていたそうです。

雑木林の歴史

雑木林は、かつてそこに生活する人々にとって燃料の薪や炭、田畑の肥料になる落ち葉を提供してくれる貴重な存在でした。しかし1960年代になり日本の経済が発展するにつれ炭などの木質燃料の需用が急激に減ってしまいました。その後、石炭や石油、天然ガスといった化石燃料が中心となり、雑木林は社会的に放置され現在を迎えています。

これからの緑地保全のありかた

福生市には幸いにも緑地が残されています(玉川上水沿いや中央図書館の周辺など)。今まで市では、「緑地保全=人の手を加えないで自然のままに放置しておくこと」と考えていました。事実、福生市では約50年前に人の手を加えたのが最後です。ところが、放置された雑木林は、樹木の大木化により日光が入らなくなり、萌芽力および光を必要とする小さな草花の衰退など多くの問題が発生してしまいます。また、雑木林が街中にあると落ち葉の散乱やごみの不法投棄という問題も出てきてしまいます。そのため、従来の「手を加えない」から「積極的に手を加える」という緑地保全の方法に方向転換をしていくことになりました。

緑地保全の方法と効果

福生の緑地を再生させるためには萌芽更新が必要になってきます。萌芽更新とは、人工的に手を加え木を伐採し、下草刈りや間伐を行うことです。これにより、日光が林に入るようになり、小さな草花や従来そこに生息していた昆虫などが昔のように戻ってきます。さらに、萌芽更新をすることにより次世代の樹木に世代交代するため、林全体が若返り適正な緑地保全が可能になります。

福生萌芽会

現在市民の方のボランティアによる「福生萌芽会」が保全活動を行っています。随時メンバーを募集しています。

より良いウェブサイトにするためにアンケートを行っています

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このページに関するお問い合わせ

生活環境部 環境政策課 緑と公園係
〒197-8501 東京都福生市本町5
電話:042-551-1985